セリンとレンカク 1話目

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 初めてのセックスはよく聞く感想と変わらず、痛くてよくわからない、というものになった。ただレンカクとそういうことが出来た、ということが嬉しくて、イヤな記憶にはならなかった。

 コトが済んだ後、私は気絶してしまったようで、その間にレンカクが色々と片付けをしてくれていた。シーツだけは私が寝ていたせいで洗えなかったけれど、二人で商会の裏手にある洗濯機へ持っていって洗ったのが、なんだか気恥ずかしかった。
 洗っている最中、レンカクは肩を見せてきた。そこには歯形がついていて、こんなに噛み付いていたのかと申し訳なくなり、ひたすらに謝った。
「じゃあ、付き合ってよ」
「……。なにに?」
「……。いや、……。ん、なんでもない……」
 レンカクのバツの悪そうな顔を見て、自分が告白されたと気づいた。
 再び謝り倒して、レンカクの手を取って「付き合う!付き合う!」と雑に見えるが本心の返事をして、私たちは恋人となった。

 お互い、いつから好きになったのかわからない。私はたぶん、レンカクのことを考えてオナニーしているうちに、気になってしまったのだろう。
 でもそれは秘密にしておく。
 恥ずかしいから。

 後日、仮眠室の扉に『睡眠以外での用途で使用しないこと』という注意書きが張り出されていた。
 クマサン、ごめんなさい……。

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